衛生管理

ユニバーサル企業の衛生管理の考え方
全社的に「衛生管理」(Sanitation)を最優先の目標と考える理由
当社は、社のスタート時から特に「ビルメンテナンス」・「設備環境」・「スチュワード」・「ホテル」・「エアケータリング」とほぼ全管理部において「きれいにすること」を共通のテーマとして取り組んでまいりました。しかし、この「きれいにすること」の意味が、追求すればするほどむずかしく、奥深いものであると考えるようになりました。
そこで、私たちは、後述のような点について一つ一つ語句を解釈し、「きれい」の意味を考えてみたいと思います。
「きれいであること」・「衛生的にしておくこと」の意味
大手企業でも、たった一度の食品事故や汚れの残留、異物の混入などが、お客様の指摘を受けて事故と見なされれば、長年培ってきたブランドのイメージを崩壊させ、企業の信用を失い、倒産の危機に立たされ、企業の使命を制することになりかねません。私たちが全事業部をあげて、〝きれいにすること〟を共通のテーマとして取り組む理由は、次のような意味があると考えております。
- 〝企業イメージ・ブランド〟を守ること。
- きれいさ、衛生的にしておくことは、無形の営業戦略であること。
- バックヤードには無理・ムラ・無駄があると考えて手を打つことができること。
- 「キレイ」は顧客の要請であり、集客効果、売り物になるという経営技術であること。
ユニバーサル企業は、お客様にとって、これらのオペレーションの実現を目指す新たなビジネスパートナーであることを願っています。
1.お客様(ゲスト)が、今一番フードサービス業界に求めていること
- 「料理・食品」の「安全・安心」と「その衛生的な取扱い」を前提とした「おいしさと高品質のサービスです。
- 食品衛生は工程中の正しい取り扱い方・機器・施設・従業員の衛生管理など、その「トレーニング」が土台となる管理体制だと言えます。これらの前提がおろそかになっては、食品の安全は確保できません。
2.企業にとってバックヤードは…〝利益の源泉!〟
バックヤードの仕事を積極的に見直し、裏方に眠っている(放置されている)「利益」を創出する!という考え方です。
- 施設では、無駄・無理・ムラのないオペレーションの実現
- より「衛生管理」を考えた信頼のブランドの構築と継続
- 経営の課題を、「衛生管理」という「無形の営業戦略」に転嫁する
3.「食器洗浄」は素人にはできないこと…プロの技の提供
- 食器洗浄作業は、「素人」にできることでしょうか。そこには専門的な「洗浄技術」が必要で、ただの素人に可能なことではありません。
- 現場に与えられた条件下で最大の効果を生み出す、その「知識と訓練」の積み重ねによって達成されるものです。
- スチュワード(洗浄係)の使命は、衛生管理・財産管理・洗浄コスト削減などです。洗練された「プロの技術」を「社内トレーニング」を重ねてお応えします。
4.お客様の安全・安心のための…「トレーニングプログラム」
- フードサービスにおける「きれいさ」とは?
「洗っている」と「洗えている」は意味が違います。従業員には継続的なトレーニングが必要です。 - 社内トレーニングの目標はお客様のバックヤードに改善点が発見されればその時点で「ご提案」をさせていただくこと、また危機管理を考慮した事前のメンテナンスを実践することです。
- 従業員個人の衛生管理・正しい手洗い
- キッチンや洗浄エリアの、効果的な洗浄・衛生管理。化学薬品の交差汚染防止対策
- グローバルスタンダードに沿った食品衛生の管理ポイントの実践
- 食器破損防止対策
- 食器洗浄機の正しいオペレーション。きれいさ、コストコントロールの意味と理解
5.ユニバーサル企業は、NRA教育財団「Serv Safe」の公式認定者集団
- 「NRA(全米レストラン協会)教育財団」は最新の科学的根拠に基づいて、[HACCP]を具体的に運用するための教材/「ServSafe」を開発し、フードサービスを営む責任者のための教育プログラム「グローバルスタンダード」を開発しています。
- 私たちは、この「ServSafe」の公式認定試験に多数合格しており、順次その拡大を図って現場で実践できるよう研修を繰り返しています。
- 食品の受領・保管・調理から提供に至るまで、食品の正しい取り扱い方やキッチン全体の衛生管理を学び、衛生的で安全な飲食施設の運営にご協力します。
6.ユニバーサル企業の社員は、御社のサポーター
- 私たちは、常に食品衛生のグローバルスタンダードを視野に入れ、最先端の専門教育と情報を習得した御社の「サポーター」であることを願っています。
- お客様を食品事故から守るという使命は、信頼のブランドの構築であり、御社の営業戦略を、裏方からサポートさせていただきます。
ユニバーサル企業は、お客様にとって、これらのオペレーションの実現を目指す新たなビジネスパートナーであることを願っています。
7.生き生きと働ける職場づくり、モチベーションの維持・作業の効率化
【効果的な作業環境を作る「5S」の推進】
- いるものといらないものに分け、いらないものは廃棄すること
- いるものを使いやすいようにきちんと並べること
- ゴミや汚れを取り除き、作業場をきれいにすること
- 「整理・整頓・清掃」の3Sを維持すること
- 決められたルール・手順は守ること 5Sを維持すること
- 床面に「直置き禁止」、分離保管、床面の「キープ・ドライ」
8.衛生管理から得られる財産
- お客様への信頼・ブランドイメージの確立(顧客満足)
- 顧客の維持・拡大と新規受注(集客効果)
- 売上と利益の増大(無形の営業戦略)
- 社員の達成感・自信・積極性・笑顔・挨拶(社員満足)
9.個人の衛生管理
私たちひとりひとりは「衛生管理」を達成するために、絶対に事故は起こさないという強い意識をもって作業にあたっています。
個人の衛生(身だしなみ)
体調
年1回(検便は3カ月に1回)の健康診断(社内規則に準じる)結果に異状がないこと。健康であり下痢・嘔吐・発熱・保菌がないこと。
化膿創
手指 顔面に化膿創がないこと。ある場合は上司に速やかに報告している。発疹・外傷・健康に異常がないこと。ある場合は上司に速やかに報告していること。
服装
常に清潔なユニフォーム・エプロン・帽子(ヘアネット)・履物等を適切に着用している。従事者以外のものが洗浄エリアや料飲施設に立ち入る場合は、専用の清潔な白衣及び履物を着用していること。
装飾品
装飾品(指輪・ピアス・イヤリング・ブレスレット・ネックレス・付け爪・マニキュア・時計等)をつけていない。毛髪が帽子から出ていない。毛髪・汗・化粧品等で食品・食器・調理機器等を汚していない。
指
爪は短く切っておくこと。
うがい
呼吸器感染症の予防、口臭の予防やエチケットとして手洗い時に行うこと。
手洗い
手洗い手順書・注意喚起の掲示(啓蒙ポスター・手順書など)をしておくこと。手順書に従い手を洗うこと。
手洗いのタイミングは食事前、休憩後、喫煙後、トイレ後、くしゃみ・鼻をかんだ後、お金を触った後、就寝前などです。
HACCP(ハセップ・ハシップ)とは
HACCPとは、国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関(コーデックス)委員会から発表される、各国に採用を推奨している国際的に認められた衛生管理手法で、米国やEUでは義務化されています。従来の衛生管理手法は、最終製品の検査に重点をおいたファイナルチェック方式でしたが、HACCP衛生管理手法は、工程ごとに危害を分析し、未然に不良品の発生を防ぐ工程管理・プロセスチェック方式です。
ServSafeとは
アメリカのレストラン協会(NRA)の下部組織NRAEF(National Restaurant Association Educational Foundation)が主催する食品衛生の教育・認証制度です。 アメリカでは飲食店に認証取得者がいなければならない場合があるほど、広く認められている制度です。